谷川俊太郎選『茨木のり子詩集』
「自分の感受性ぐらい」
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
茨木のり子
1926年6月12日~2006年2月17日
出身:日本(大阪府)
職業:詩人・エッセイスト・童話作家・脚本家
代表作:
- 「見えない配達夫」
- 「倚りかからず」
- 「わたしが一番きれいだったとき」
同時代の人 参考
- 児童文学作家 マイケル・ボンド 1926-2017
- 児童文学作家 松谷みよ子 1926-2015
- 小説家 宮尾登美子 1926-2014
- 絵本作家 安野光雅 1926-2020
- 詩人 茨木のり子 1926-2006
- 児童文学作家 加古里子 1926-2018
- 俳優 マリリン・モンロー 1926-1962
- 映画監督 今村昌平 1926-2006
- 宇宙物理学者 小柴昌俊 1926-2020
- ミュージシャン チャック・ベリー 1926-2017