『五月三十五日』 エーリッヒ・ケストナー著
「いったい、なんのために運転手になろうっていうの?」
「もちろん、お金をもうけるためですよ。」少年は答えました。
「いったい、なんのためにお金をもうけようっていうの?」老婦人はたずねました。
「あなたはおかしな人ですね。」コンラートはさけびました。「働かないものはお金が得られません。お金の得られないものは、飢え死にしなければなりません!」
「それはまったく古くさい考え方ですよ。」と老婦人は申しました。
「ねえぼっちゃん、この電気の都市では、ただ、娯楽のためか、ふとらないようにするためか、だれかに贈り物をするためか、何かおぼえるためか、そんなことのためにだけ働くのです。…」
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「ここでは人間が働いている。ここの人間はなまけてはいない。もっともじぶんたちの楽しみだけのために働いているんだが、文句をつけるのはよそう。さあ、さきへ行こう!」
エーリッヒ・ケストナー
1899年2月23日~1974年7月29日 職業:詩人・作家
出身:ドイツ
代表作:
- 『ふたりのロッテ』
- 『飛ぶ教室』
- 『エーミールと探偵たち』
- 『点子ちゃんとアントン』
- 『人生処方詩集』
- 『ファービアン』
同年の1899年生まれの人たち 参考
- 作家 エーリッヒ・ケストナー 1899-1974 ドイツ
- 詩人 アンリ・ミショー 1899-1984 ベルギー
- アニメーション作家 ロッテ・ライニガー 1899-1981 ドイツ
- 小説家 川端康成 1899-1972
- 小説家 アーネスト・ヘミングウェイ 1899-1961 アメリカ
- 児童文学作家 パメラ・トラバース 1899-1996 イギリス
- 映画監督 アルフレッド・ヒッチコック 1899-1980 イギリス
- 小説家 ホルヘ・ルイス・ボルヘス 1899-1986 アルゼンチン