『非色』 有吉佐和子
金持は貧乏人を軽んじ、頭のいいものは悪い人間を馬鹿にし、逼塞して暮らす人は昔の系図を展して世間の成上がりを罵倒する。要領の悪い男は才子を薄っぺらだと言い、美人は不器量ものを憐れみ、インテリは学歴のないものを軽蔑する。人間は誰でも自分よりなんらかの形で以下のものを設定し、それによって自分をより優れていると思いたいのではないか。それでなければ落ち着かない。それでなければ生きて行けないのではないか。
有吉佐和子
1931年1月20日~1984年8月30日 職業:小説家・劇作家・演出家
出身:日本(和歌山)→東京
代表作:
- 『恍惚の人』
- 『紀の川』